死にゆく人ともの

 12月はいろいろあった。

仕事では同じチームの二人の人間が続けて休職となったアオリをうけて、卒業予定であったチームに残留となった上に仕事量はさらに倍という感じ。よそから人員が補充されるも能力があるとは言い難い人たちに1から作業を教えるには時間がない。無能を合体させて有能が一人生まれればいいのだが、大抵事故るのでそうもいかない。

もともと終わるとされているものに対する終了処理なので、コスト減のためどんどん人が減らされている状態であるにも関わらず作業量自体は減っていない。人を減らして運用できるスタイルではないからだ。リッチにリソースをつぎ込む形で作られたものなので、こいつは息をするだけで金がかかる。

 一人目休職後、1週間たってもう一人も休職。「現在このチームで生き残っているのはお前と元リーダーだけだから、お前らでやれ。」という指示はあまりにも上長として無能ではないですかね。元リーダーに至っては、新チームの仕事と元チームの仕事の両方をやれという状態である。いまの仕事はモチベーションが維持できないということを自己評価面談で上司にも伝えてはいたが、休職したもの勝ちみたいになっている感じがする。私は仕事に全てを注ぎ込む働き方をする気は全くないので、いつも通り適度に適当でいこうと思う。休職の人は戻ってきてもいいし、そのままどこかに転職してもいいんじゃないかなぁ。

上司が今回の人材配置変更をした結果、二人の人間が休職したにも関わらず何の責も負わないという点についてのみ、許さない。

 

この無茶振りを受けた日の夕方、実家より電話。普段連絡をしない、便りがないのはいい便りのプレイスタイルなので、これはまた誰か死んだかなにかだなと反射的に思った。

内容はまあその通り。

・母が癌である
・ステージ3である
・手術ができるレベルではない
・余命は半年

↓これは父の場合なのであんまりアテにならぬ

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母はあまり体が強くないのと病気も多くて、過去に脳腫瘍を患ったこともある。当時も手術した場合の生存率20%、手術しないと2ヶ月で亡くなるというなかなか厳しい状況であったが手術して生き残った。それから20年近くたって今回の病気なので、どうにもなあという感じ。

実家に行こうかと思っても「急に来るな」と言われてしまうし、普段正月帰ってないものだから、そりゃあなぁ…。3月までには一度帰りたいところ。帰ってなにかできるわけではないけれども、帰ることで自己満足するためかもしれないが。こんなのが生きていて、どうして母がという気にはなる。楽しい宗教も救いにはならないし。余命半年なら、仕事でやってる終了処理も夏の終わりを目指しているから、どっちが先に死ぬのかみたいな感じ。ただ抗がん剤はやっていくということなので、経過を見守ることにした。

タイミングによっては夏が終わったら2つともなくなるのかと思うと、なんとも表現し難い。

よく、自分のことを客観的に見られる、俯瞰的に見られると言われますが内面はそんなでもなくて、グチャグチャしているはず。その表現方法を知らないだけであって。父や叔母のほうが心持ち大変だろうなと思う。父は祖母を亡くして2年経つがまだ骨壷を家においている。母の妹である叔母は夫を去年春に亡くしたばかりなので、二人にとって身近な人がまた失われたら心の拠り所をどうするんだろうか。

城山三郎みたいになってしまうんだろうか。 

そうか、もう君はいないのか (新潮文庫)

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 人の死は不可避で、タイミングも選ぶことができない。それを受け入れてどうするか、というところまで精神が安定するとよいね。

 

こういうことがあったので、仕事が荒れていても割とどうでもいい感じになっている。会社でオープンにするような情報でもないし。他人のモチベーションを削ぐ意味もない。

今年はいつも通りあまりキラキラしたこともありませんが、低空飛行でいけたらと思います。どうぞよろしくお願いします。