こころもちのはなし

 

今日は銀河鉄道の夜

 

どうして僕はこんなにかなしいのだろう。僕はもっとこころもちをきれいに大きくもたなければいけない

ああほんとうにどこまでもどこまでも僕といっしょに行くひとはないだろうか。

 

女の子とカムパネルラが仲良く話しているからか、学校でいじいめられても、カムパネルラだけは悪口をいわなかったからか。
ジョバンニはカムパネルラと一緒にどこまでもいけると本当に思っていたのか。

どこまでも一緒に、というのは実は自分のエゴかもしれません。
誰しも、ずっと誰かと一緒にいられたら幸せだろうけど、実際はそうではない。

唯一の友達を失ったジョバンニが、やる気を取り戻すシーンは読むべき。

 

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かみさまのはなし

 

「そんな神さまうその神さまだい。」

「あなたの神さまうその神さまよ。」

「そうじゃないよ。」

「あなたの神さまってどんな神さまですか。」青年は笑いながら云いました。

「ぼくほんとうはよく知りません、けれどもそんなんでなしにほんとうのたった一人の神さまです。」

「ほんとうの神さまはもちろんたった一人です。」

「ああ、そんなんでなしにたったひとりのほんとうのほんとうの神さまです。」

 

 

宗教の違いや考え方の違いがあるけれど、それを飲み込んだ部分。
ふだんに通じる部分もあるだろうと思う。

 

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ブルカニロ博士のこと

 

底本によっては出てこない。
「もうそこらが一ぺんにまっくらになったように思いました。」
「そのとき、」と続いて博士の声がする。

 

出てこないほうを先に読んでから、出てくるほうを読むとよいと思う。
「ほんとの神さま」や「いつまでも一緒にいられない」ことがわかる。

 

 

出てこないほう
http://www.aozora.gr.jp/cards/000081/files/456_15050.html

 

出てくるほう
http://www.aozora.gr.jp/cards/000081/files/43737_19215.html